2011/12/23

アメリカ的証明写真事情

最近、公的な書類を提出する際に証明写真が必要となり、アメリカで初めて証明写真を撮影しました。こちらでは、ドラッグストアが証明写真サ‐ビスを担っているとの情報を得て、早速近所のCVSへ・・
店内には日本のような自動の撮影機はなくて、お店の人が普通のデジカメで撮ってくれた写真の大きさに調整して、プリントしてくれるというシステムでした。ただ、「笑うな(オリジナルでは"neutral face expression”で撮影するようにとの記載)」「白いシャツを着るな」「耳をだせ」と厳しく詳細なルールが定められています。
結果、ひどく不機嫌そうな証明写真の出来上がりました。

本人かどうかを特定するため、顔周りをすっきりさせるべく耳を出したり髪型が指定されるのはわかる気がします。(ちなみに、宗教上の理由でベール等をかぶることは許されていますが、顔に影がかからないことなどが条件です)白いシャツについても、光の反射で顔がわかりにくくなるというようなことではないかと思います。ただ、「笑うな」というルールの根拠は何なのでしょうか?

少しインターネットで調べてみたのですが、未だに真相は闇の中です。被写体の笑顔を見てしまうと、いつもは鋭い眼力で真偽を見極める国際テロリストの捜査官も情にほだされてしまい、仕事にならないのだろうかなどと妄想しています。

お値段は10枚で50ドルと、かなり値が張ります。日本の友人にこの話をしていて気付いたのですが、日本ではアルバイトの履歴書にさえ証明写真をぺたぺた貼りますが、こちらでは性別、人種、年齢とあらゆる差別から被雇用者を守るため、履歴書に写真を貼る習慣がありません。そのため、証明写真を撮影する機会は非常に限定されており、証明写真サービスが発達する必要性が少ないのではないかと考えます。

ちなみに、後日気付いたのですが、アメリカ国務省ウェブサイト内(travel state gov)で、手持ちの写真をパスポート用に加工できる無料ツールが紹介されていました。
http://travel.state.gov/passport/pptphotoreq/pptphotoreq_5333.html
その手があったか・・

やはり大ごとなクリスマス ~プレゼント編

Happy Holidays!
この時期になると交わされる決まり文句。
この国では大多数がキリスト教徒であるとはいえ、キリスト教徒以外の宗教を信仰する人たちへの配慮のため、職場を中心として特定の宗教を指定しないこの文言が使われるようになったそうです。

職場と言えば、旦那も上司や同僚からプレゼントと手書きのカードをもらってきたため、急いでお返しのプレゼントを購入していました。その際も、ジューイッシュの同僚にはクリスマスカラーのラッピングを避けるなど、工夫を凝らしていました。

とはいえ、やはりクリスマスはアメリカでは年間で最大のイベントごと。特に家族、恋人、友人、職場の同僚間で交換されるプレゼントの数は膨大なものとなるため、メーカー各社はクリスマス商戦を制すべく、アグレッシブなプロモーションを行っています。私が会員登録している化粧品メーカーからは連日のようにメールが送られてきて、「今日x時までにオーダーすれば、無料でクリスマスまでにお届けします!」が、翌日には「今日z時までにオーダーすれば、yドルでクリスマスまでにお届けします!」に変わり、y値がどんどん上がっていくという格好です。
クリスマスに家族の集まりや友人とのパーティーに参加する際に、プレゼントを買い忘れたとなると大変なので、このようなLast minuteの買い物客をターゲットとしたプロモーションは、クリスマス直前まで続きます。

日本では、クリスマスプレゼントが主にサンタさん(に扮した親御さん)が子どもに渡す、または恋人同士で送り合うといったものであり、豪華なプレゼントを1つというのが通例ではないでしょうか。アメリカでは、主役級のプレゼントという概念はもちろんあるのですが、それ以外にも小さなプレゼントをたくさん用意して、ストッキングにつめたりラッピングしたりして、それぞれのプレゼントを開ける楽しい瞬間を増やすことも重視されています。小さなプレゼントは、石鹸やTシャツ、チョコレートといった日用品やその場ですぐに使ったり楽しめるようなものがほとんどです。

寒く長く暗いニューイングランドの冬が本格的に始まりましたが、そんな季節だからこそ、街の至る所で見かけるクリスマスのイルミネーションが一段と映え、心まで暖かくしてくれるように思います。宗教的な意味合いはもちろんのこと、家族や周囲の人たちに改めて日頃の感謝の意を示し、お互いの健康を気遣うと共に絆を再確認する時期でもあり、長い冬を前にしてよいメンタルコンディションを保つためにも非常に大切なイベントなのではないかと思う今日この頃です。

初投稿

はじめまして。シーラカンスと申します。
2011年11月にアメリカ人の旦那と結婚し、現在、東海岸ロードアイランド州で夫婦+猫1匹と暮らしています。大学留学時に続いて2度目となるアメリカ生活ですが、いまだに毎日が発見と驚きの連続です。そんなアメリカ ニューイングランドでの日々の暮らしについて、アマチュア文化人類学的考察も織り交ぜながら綴っていきたいと思います。