先日、会話の途中で旦那が"Knock on wood!"と言って、すかさず部屋の中を見回し、木製のテーブルに歩み寄っては手の甲でこつこつ叩くという場面に遭遇しました。
一瞬何が起こったのかわからず、あっけにとられていたのですが、"Knock on wood(木をこつこつ叩く)"とは「幸運を祈る」という意味なのだそうです。
ちなみに、イギリス英語では同様の意味で"Touch wood"と言うのだとか。
例えば、「こんなことが起こってほしい・・」と強い願いを口にした際には、それが実際に叶うように"Knock on wood"します。また「こんなことは起こってほしくないけど・・」と仮定として最悪の事態について口にしてしまった時に、実際に起こらないように、"Knock on wood"するのだそうです。
語源としては、様々な説があるそうですが、個人的にお気に入りの節を紹介します。
・キリスト教以前、妖精が住んでいると言われるoak(ブナ・ナラ)などの神樹信仰に示されるように、特定の木が幸運をもたらすと信じられていたため
・木を叩く音で、自分のうっかり発言を悪魔が聞いて悪さしないようにするため
・木を叩くことで、小人に自分の幸運に感謝していることを知らせるため(恐らく、悪魔の例と同様、悪さしないようにするため)
参考:http://www.worldwidewords.org/qa/qa-tou1.htm
語源にも表れているように、ニュートラルな状態からポジティブに「幸運を祈る」というよりは、自分の言動が招きかねない悪い結果を防ぐためにネガティブに陥らないよう「幸運を祈る」という使い方をするようです。旦那によれば、単に"Knock on wood"とだけ言う場合もありますが、木・木製のものが傍にあれば、それらを叩くにこしたことはないとのことです。
旦那はとりわけ迷信深いタイプでもないのですが、子どもの時からの癖や習慣というのは、無意識的に体にすりこまれているものだと、改めて文化の違いを面白く感じた瞬間でした。
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