2012/03/13

Yuki of the day

手の内を明かす猫

米国でますます進化するオンライン・デーティングサイト

アメリカでは、男女の出会いの場としてオンライン・デーティングサイトが発達しています。その数は数千を超え、業界(課金サイト)の規模は10億ドルにも達する(2010年)のだそうです。
ユーザー数が飛躍的に増えるに従って、恋人やともすれば結婚相手を見つける手段として一般化し、以前はあったスティグマ(汚名)もほとんどなくなってきていると言われています。

業界大手のMatch.comの調査によれば、オンラインは新しい相手と出会う方法としては、職場・学校、友人・知人の紹介に引き続いて、第3位。アメリカでは、今や6組に1組の結婚はオンラインを介して知り合った結果によるものだとのこと。

私が知っている中でも、オンラインを通じて出会った相手と付き合っている例が複数あり、さらには今夏に結婚を控えているカップルもいます。

このように、オンライン・デーティングサイトが多くのユーザーを獲得し、ビジネスとして成立し、さらに拡大する背景にはITテクノロジーの発達が大きく貢献しています。ユーザーがデーティングサイトに求めるニーズは、極力時間・労力・お金をかけずに条件にあった相手と出会う事ができるかどうかということに尽きます。条件に沿った相手候補をシステムが提示するその背後には、アルゴリズムを駆使したコンピューターによる膨大な情報処理作業が行われているのです。また、直感的には、理想の相手と出会うためには多数の相手候補を提示される中で選択する方がいいと考えがちですが、一人の人間が一定の時期に扱える人間関係には限りがあるため、コンピューターにはますます条件検索の「精度」が求められます。

さて、先日、新進気鋭のブログニュースサイト"Huffingtonpost"で、オンライン・デーティングサイトの関する新たな傾向について書かれた面白い記事を見つけました。その名も「Online Dating Gets Religious(オンライン・デーティングサイトは宗教化している)」。色々な人が入り乱れているメジャーなデーティングサイトとは違って、初めから特定の宗教の信者にターゲットを絞ったデートサイトが隆盛を極めているとのことです。

自分と同じ宗教を信仰している人たちの中からさらに他の条件も満たす相手であれば、いずれ結婚に至っても宗教の違いがネックになることもないし、個人的な家族や親戚の反対に合ったりといったトラブルを避けることができます。またそもそも宗教は、結婚に関する考え方はもちろん、日常生活における飲食に関するルール、守るべき行事ごと(例えばクリスマスを一緒にお祝いできるか?)といったように生活のあらゆる場面に関わってくるので、同じ宗教を信仰している人の方が似たような人生経験を経て共通項も多く、人生の伴侶としては選びやすいということもあるかと思います。

日本社会と比べて、宗教はアメリカ社会において重要な位置を占めています。最近では中絶を禁じているカトリック系の病院や大学でのバースコントロールピルの取り扱いが大きな社会問題となっているように、宗教の違いはともすれば社会を分断する程の影響力を持っています。個人対個人の関係において、ましてや結婚を念頭に置いて付き合うカップルにとって、自身や家族が信仰を強く持っていれば持っているほど、宗教は避けては通れないものとなります。そのため、あらかじめ理想の相手の条件として自分と同じ宗教を信仰していることを選択しようとするのは、当然の傾向かもしれません。

興味深く、思わずくすりと笑ってしまったのは、記事中の以下のくだり
"In the world of online dating, religious sites indicate a classic belief among some love seekers that faith matters and that God is the ultimate matchmaker."

すなわち、理想の相手に出会えるかどうかも「信仰ありき(=信じるものは救われる・・ぐらいの意味でしょうか)」であり、最終的に相手に導いてくれるのは「神」であるとのこと。決してコンピューターではないわけです。

ちょっと余談ですが、昔の日本のドラマなんかを見ていると、ちょっとお節介な親戚の何とかおばさんが、独身の女性に縁談を持ってくる場面などがあります。大抵、現代的な結婚観に目覚め出した若い主人公が「お見合いなんて古いわ・・」などと断ったりするのがお約束でした。今となっては、もうそんなお節介な親戚のおばさんなんて存在しないのかもしれませんが、少なくとも彼女はマッチングにあたり、両家の家庭の事情や金銭感覚等も踏まえてこれはと思う選択肢を持ってきていたのではないだろうかと考えるのです。そのように考えれば、おばさん(ただし架空)の頭の中で行われていた情報処理作業は、オンラインデーティングサイトが現在先端技術を駆使して行っている高速のそれと、そう大差ないものであったのかもしれない・・などと考えます。


参考:
http://www.huffingtonpost.com/2012/02/14/religious-romance-require_n_1270558.html#s684671&title=OkCupid
http://www.newyorker.com/reporting/2011/07/04/110704fa_fact_paumgarten

2012/03/07

結婚を通じての永住権申請:面接

久しぶりの投稿です。新年の抱負(New Year's resolution)はどこへやら・・早くも筆不精になってきており、反省しきりです。

さて、先週金曜日、プロビデンスの隣町ジョンストン(Johnston)で、永住権申請の最後の関門である「面接」を受けてきました。面接は朝8時に設定され、旦那も一緒です。

この面接では、私が永住権を申請したベースとなっているアメリカ市民との結婚生活が①まぎれもなく行われており、②永住権取得目的ではなく愛情に基づいていること を確かめるとのこと。

それらを証明するためには、面接官の質問に対する答えが夫婦で一致している必要があります。
私たちのケースでは、旦那が先に一人呼ばれて面接官から質問を受け、後で私が呼ばれ、同じ質問を受けました。幸い、私たちの面接官はフレンドリーな女性で、笑顔で迎えてくれたので、緊張せずに臨むことができました。

質問内容は「いつどうやって出会ったか?」「お互いの両親の名前は?」「結婚式はどこで行い、何人ぐらい参列したか?」「いつ仕事を始めたのか?」等、ひっかかりようもなく、ごく基本的なものでした。また、ふとしたきっかけで飼っている猫の話になり、猫の名前も聞かれました。

知り合いから聞いた話では、「家のカーテンの色は何?」「今日の朝食は何を食べた?」等聞かれるとのことだったので、そもそも細部にこだわらずに忘れっぽい旦那が何かやらかすんではないかと、非常に危惧していましたが、私達の場合はそのような質問は一切ありませんでした。

実際、「いつ付き合い始めたか?」という質問に、旦那は1年間違えて答えてしまったそうですが、私の答えと違っていても特に突っ込まれませんでした。まあ人間なら誰でも忘れっぽかったり間違えることもあるので、あまりにも二人の答えが不自然なまでに一致していると、逆に怪しまれたりするのかもしれないなぁなどと考えていました。

また二人の結婚生活を裏付けるサポート資料として、銀行の共同口座や保険、二人の連名となっている家のリース等の書類の他、二人の写真や手紙を持っていきました。写真などはそこまで見られないだろうと思っていたのですが、意外にも日本での旅をスクラップブックにしたものに興味津津で、「これはどこだ?」「この食べ物は何だ?」などと聞かれました。二人で旅行した時の航空券のコピー等も取っておくとよいそうです。
ひとしきり話した後、最後には日本語で「dog=犬」「cat=猫」など教えて終了でした。

結果はその場では通知されないかと思っていたのですが、「あ、Approvedだから」とさらっと伝えられ、グリーンカードが数週間で到着すること、今回のカードは2年の条件付きで、また2年後に面接があり、無条件カードに切り替えできることなどが伝えられました。

申請当初からこの日を待ちわびていた割にはあっけない終わり方でした。
しかし、何にせよこれでアメリカで独立した成人として認められたのだなと思うと、嬉しさがこみ上げてきました。申請送付から3か月の長くて短いvisa journeyでした。

2012/02/14

結婚を通じての永住権申請:氏名について

日本人の女性がアメリカ人男性(もしくはその逆のパターン、もしくは最近では州によっては同性同士ということも考えられます)と結婚する際に、どのように氏名を名乗るかというのは悩ましい問題です。まぁ悩むだけ選択肢があるというのは、朗報なのかもしれません。

以下、日本人がアメリカ人と結婚した場合のあり得るパターンです。

①アメリカでも日本でも新しい姓を名乗る
②アメリカでは新しい姓を名乗り、日本では旧姓を名乗る
③アメリカでも日本でも旧姓を名乗る

①および②で「新しい姓」としたのは、必ずしも旦那さんの姓をそのまま名乗るという方法以外に、旧姓を以下のように組み込むことが可能だからです。

a. 旧姓をミドルネーム化する  
 →名前+旧姓+旦那の姓
b. 旦那さんの姓と旧姓をハイフンでつなぎ、新たに一つの姓として名乗る 
 →名前+旦那の姓―旧姓 

この「名前」に対する感覚ですが、日本では戸籍に登録したものが絶対的で確固たるものとして扱われるのに対して、アメリカではその辺りの考え方がよりルーズ/フレキシブルであるように感じます。自分がある環境下でどうやって呼ばれたいかを自分で定義してしまい、それを押し通すことができる・・といった感覚でしょうか。例えば、ニックネームが日本のそれよりも頻繁に使われ、また成人し社会人になっても一定の地位を獲得しています。エリザベスがベスだったり、ウィリアムがビルだったりと、名前を略して呼ぶことも多々あり、公式の書類や履歴書でもそのような略称で通してしまいます。

さて、私の現在の状況は、前述でいうと②のaのパターンです。

結婚した当初は特に何も考えずに名前+旦那の姓で様々な書類に記入していましたが、日本では旧姓を変えていないこと、結婚する前にアメリカで暮らしていた時の記録(銀行口座やソーシャルセキュリティナンバー)と簡単に紐付け出来るほうが便利だし、慣れ親しんだ旧姓を手放さずに済むということで、いつからか旧姓をミドルネームとして加えるようになりました。
アメリカではソーシャルセキュリティカードが戸籍代わりのようなものなので、そこに記載されている名前が一応の公式名として見なされるようなので、ミドルネームに旧姓を加えて登録しておきました。

なお、日本では旧姓を変えない場合、旦那さんと別姓だと日本では何かと不便なことがあるとのことで、パスポートに旦那さんの姓も追記してもらうことができます。アメリカにいながらでも、氏名の変更が確認できる書類を持っていけば、日本大使館や管轄の領事館で手続きしてもらえます。


※以上は2012年2月14日現在の情報であり、あくまで私個人の経験から述べているものです。氏名に関する諸手続きをされる際には、必ず関係当局のwebsiteを見るなり問い合わせるなりして、常に最新の情報を入手されることをお勧めします。



2012/02/12

結婚を通じての永住権申請:労働許可がおりた!

つい先日、就労許可証(I-766)が到着し、同日付でオファーをもらった先で働くことになりました。昨年12月の申請から2ヶ月で到着というのは、噂に聞いていたより迅速で喜ぶべき事なのですが、就職活動はかなり前から進めていたため、一体いつ許可が下りるのかと内心やきもきしていました。

私の場合、「今、永住権申請プロセス中なんだけど、永住権が来るまで働くのが待てないので、とりあえず就労だけ許可してください」というカテゴリーでの申請でした。そのため、就労許可証には期限があり、期限内にグリーンカードが取得できなかった場合には、さらに延長を申し出るそうです。永住権申請と同時に就労許可の申請を行う場合は無料でした。

また、希望する場合は、就労許可申請と同時に、永住権申請中に出国及びアメリカ再入国を特別に認める申請も行えます。(私は、特に必要性に迫られていないのと、極力優先度の高いものに絞って申請プロセスを簡素・迅速化したいという理由により、今回は見送りました。)

アメリカ人との結婚を通じての永住権(グリーンカード)申請は、その他のカテゴリーでの申請より優先度が高く、プロセスは迅速に行われるとのことです。しかし、いくら迅速といっても数カ月~長ければ年単位で待つという話も聞きます。申請書類およびサポート書類をかき集めて郵送するまでがまず一苦労。一旦郵送した後、出来ることはひたすら待つだけ・・と、あまりに途方もないプロセスであり、またいつ何が起こるかもわからないため長期的な計画も立てにくく、個人的にはここ数カ月はまるで時が止まったかのようでした。

そんな時、せめても見通しを立てたいと、よく自分と似たような境遇の日本人の方のブログ等を見て、参考させて頂きました。というわけで、私のケースもどなたかの参考になればと思い、以下にタイムラインと注意事項を掲載します。

2011.12.6   グリーンカード申請書類一式をFedexで郵送
※就労許可申請(I-765)も同封する
※今後、プロセスの進捗がテキストメッセージおよびEmailで送られてくるように指定

2011.12.9      USCISより書類を受領したという内容のテキストメッセージ
※後日、同内容のレター(I-797C, Notice of Action)が到着

2011.12.13  バイオメリクス(指紋・写真撮影)の日時を指定したレターが到着

2011.12.28  隣町のApplication Support Centerでバイオメトリクス
※当日の持ち物として、IDとレターだけしか記載されていませんが、Centerに行くと当然のようにMarriage Certificateを提示するよう求められたので、忘れず持っていくようにしてください。
※この日撮影する写真が、労働許可証の顔写真になっていたので、気を抜かずに万全の体制で臨みましょう。おそらくグリーンカードにもこの日の写真が使われるのではないかと思われます。
私の担当だったスタッフのおじさんは、陽気な人で、一度目の写真があまりに変だったのであからさまにショックな顔したら、わざわざ撮り直しを申し出てくれました。でも、これはまれなケースかもしれません。往々にして、移民局関連のスタッフは情に流されずにこわもての人が多いようです。
それにしても、グリーンカード申請書類一式と共に提出した数枚のキメ写真はどこに行ってしまったのだろう・・

2012.1.27    永住権取得の最終プロセス、面接の日程についてレター
2012.2.1          USCISより「労働許可証のオーダーが指示された」とのメール
2012.2.7          USCISより「 労働許可証を郵送した」とのメール
2012.2.9          労働許可証、到着
※USPSで来ました。一見、普通のダイレクトメールみたいなので、間違って処分してしまわないように!
2012.3月初旬 面接予定

以上です。

大事な最終面接が残っているため、まだ気は抜けないのですが、今回一連のプロセスを通じて学んだのは、「何たってここはアメリカ。短気は損気。どんと構えるべし。」ということです。

なお、永住権および就労許可の申請にあたり、特に各書類の記入の際に参考にしたのが以下のウェブサイトです。http://www.visajourney.com/
ただ、移民局が指定する書類や申請の際の料金やルールはよく変わるため、最新情報については常に当局のウェブサイト(http://www.uscis.gov/portal/site/uscis)を確認し、必要に応じては、移民法専門の弁護士に相談することをお勧めします。


2012/02/03

春の到来を占うGroundhog's Day(グラウンド・ホッグ デー)

2月2日は、アメリカで恒例の「グラウンド・ホッグ デー」でした。

グラウンド・ホッグという動物が、土の中から出てきて春の到来を占う行事とのことですが、
そもそも、この聞きなれないグラウンド・ホッグとはどんな生き物なのでしょう?

ネズミ目リス科ジリス亜科マーモット族のウッドチャック種で、日本には生息していないそう。
写真は、現存するグラウンド・ホックの中で恐らく最も有名な、ペンシルヴァニア州のパンクサトーニーに住む「フィル」。遅くとも1887年から生息しており、推定125歳+α!?(と、地元のパンクサトーニー・グラウンドホッグ・クラブは主張している。何でも、グラウンド・ホッグに伝わる秘薬が長寿の秘密だとか。科学的知見からは「??」の主張だそうですが、でも何だか楽しくていいですね。)


さて、グラウンド・ホッグはどうやって春の到来を占うのか?
冬眠から目を覚ましたグラウンド・ホッグが、外に出て自分の影を見て驚けば、冬はまだあと6週間は続く。もし自分の影を見ずに外に出ていけば、春はもう間近だとのこと。

これは、古代ヨーロッパの言い伝えで、冬眠中の動物が穴の外に這い出た時に自分の影を見て驚き、冬眠から覚めるには早いとして、また穴の中に戻ってしまうとされていたからだとか。

2012年の「フィル」による占いによると、「あと6週間は冬が続く」のだそう。
・・・・がっかり。


そもそも、「あと6週間は冬が続く」か「春はもうすぐやってくる」のニ択しかないなんて、結構極端な選択です。今から6週間経過したら、虫が土からはい出してくる啓蟄(けいちつ)も終わって、春分直前。その頃には春が来てもらっていないと・・・色々と困ります。


ちなみに、このグラウンド・ホッグデーの占いは全米各地(動物園等)でも行われており、「フィル」のライバルとされるニューヨーク州スタテン島の「チャック」は、今回「フィル」とは正反対の占い結果「春はもうすぐそこまで」を出したそう。占いグラウンド・ホッグとしての評判と伝統は「フィル」が上手ですが、個人的な希望としては「チャック」を支持したいところです。

日本では、2月3日が節分で、翌日4日からは立春。暦の上では春とされています。
冬を彩る楽しい行事ごとも終わり、そろそろ春が来てほしいと待ち焦がれる気持ちは、どこでも同じなのでしょうね。

2012/01/31

深夜・24時間営業に乗り出すファストフードチェーン

日本では、友人や会社の仲間と飲みに行った後に、さらに小腹を満たす「ラーメン」、または駅から家に帰るまでの間にふらりとコンビニに寄って「ハーゲンダッツ」を購入するといったギルティー・プレジャー(=guilty pleasure:わかっちゃいるけどやめられない罪悪感を感じながら楽しむ悪習慣)を可能とする環境があります。すなわち、深夜営業もしくは24時間営業で食べたい物を入手できる飲食店や店の選択肢が多々あります。

一方、アメリカでは、ニューヨークといった大都市は別として、大抵のレストランは深夜営業をしていません。また、コンビニエンスストアも、24時間営業は少数派であり、品ぞろえもスナックや飲み物はあるにせよ、日本のコンビニエンスストアのような惣菜類の品ぞろえも期待できません。学生街では、徹夜組(試験勉強もしくはパーティ-のため)を対象として、夜遅くピザやバッファローウィング(鶏の手羽先)を宅配してくれる店がありますが、多様な選択肢と味はそこまで期待できないという状況でした。

しかし、近年、アメリカにおいても、夜行性の消費者のニーズを満たすべく、大手ファスト・フードチェーンが動き出しました。

まずは、メキシコ料理の大手ファストフードチェーン タコベル(Taco Bell)のケース。数年前から深夜営業を開始し、夜ごはんと朝ごはんの間の"Fourth meal"(第4のごはん)という概念を紹介し、バーの閉店後にも簡単に安く小腹を満たせる場所として若者に人気を集めています。また最近、朝食時間帯にも乗り出すとの発表もありました。
Taco Bell Fourthmeal website: http://www.tacobell.com/fourthmeal/


そして、日本でも24時間営業の店を見かけることが多くなったマクドナルド。アメリカでも、近年、多く店舗でドライブスルーの24時間営業を開始しました。深夜0時から午前5時の時間帯の売り上げが最も伸びたとのことです。

「夜行性の消費者」というのは、何も飲み歩いて小腹をすかせた若者だけではありません。
シフト制で、深夜も/まで働く職業についている人たち(医療関係者、トラック運転手、警官、飲食店・バーの店員など)の存在は見過ごせません。このような大手ファストフードチェーン店の深夜営業には、価格も味も魅力的な選択肢が増えたということで、働く人たちにも支持されているようです。

しかし、深夜にファストフードを食べるという選択肢は、便利であっても健康面で良い選択であるとは言えません。「ギルティ・プレジャー」はたまに罪悪感を感じながらやるから至福の悪習慣のであって、毎日やるとただの悪習慣です。

アメリカといえば「肥満人口が多い国」などといったイメージを持つ方が多いかと思いますが、実際に人口の3分の2が肥満とされ、"Obesity epidemic"と呼ばれるほど深刻な問題です。"Epidemic"というと真っ先に思い浮かぶのが「伝染病」です。肥満のケースでは必ずしも「伝染する」という意味ではなく「流行・多発・蔓延するさま」を示しているわけですが、このようなインパクトの強い言葉を使わざるを得ない程、肥満が引き起こす個人の健康およびに社会保障制度への影響は測り知れません。

とりわけ、過去30年で3倍に増えたとされる子どもの肥満は大問題であり、ファーストレディ ミシェル・オバマや、元大統領のビル・クリントン等がこぞって子どもたちを対象に“Eat Better”と訴え、より栄養バランスの取れた食生活の選択を促すキャンペーンを行っています。
(以下の写真は、当然のことながらジョーク写真です。)


幼少期にどのようなものを食べて育ってきたかということが、成長期の健康への影響はもちろん、その後の人生における食の嗜好にも大きな影響を与えることは、経験上、疑いようもありません。しかし、せっかく「何を食べるべきか」といった食教育を行っても、実際に"Eat Better"を実践する選択肢が用意されていなければ、元も子もありません。

タコベルやマクドナルドの成功により、今後さらに深夜・24時間営業に参入するファストフードチェーンが増え、競争が激化することが予想されます。供給過剰になる前に、あえて健康に配慮した夜メニューを打ち出し差異化を図るレストランがあれば、意外と受けるんじゃないかなどと思う今日この頃です。

参考;
http://video.msnbc.msn.com/nightly-news/46183161/#46183161
http://www.businessweek.com/magazine/content/07_06/b4020001.htm

2012/01/24

Knock on wood (木を叩く=幸運を祈る)

先日、会話の途中で旦那が"Knock on wood!"と言って、すかさず部屋の中を見回し、木製のテーブルに歩み寄っては手の甲でこつこつ叩くという場面に遭遇しました。

一瞬何が起こったのかわからず、あっけにとられていたのですが、"Knock on wood(木をこつこつ叩く)"とは「幸運を祈る」という意味なのだそうです。
ちなみに、イギリス英語では同様の意味で"Touch wood"と言うのだとか。

例えば、「こんなことが起こってほしい・・」と強い願いを口にした際には、それが実際に叶うように"Knock on wood"します。また「こんなことは起こってほしくないけど・・」と仮定として最悪の事態について口にしてしまった時に、実際に起こらないように、"Knock on wood"するのだそうです。

語源としては、様々な説があるそうですが、個人的にお気に入りの節を紹介します。

・キリスト教以前、妖精が住んでいると言われるoak(ブナ・ナラ)などの神樹信仰に示されるように、特定の木が幸運をもたらすと信じられていたため
・木を叩く音で、自分のうっかり発言を悪魔が聞いて悪さしないようにするため
・木を叩くことで、小人に自分の幸運に感謝していることを知らせるため(恐らく、悪魔の例と同様、悪さしないようにするため)
参考:http://www.worldwidewords.org/qa/qa-tou1.htm

語源にも表れているように、ニュートラルな状態からポジティブに「幸運を祈る」というよりは、自分の言動が招きかねない悪い結果を防ぐためにネガティブに陥らないよう「幸運を祈る」という使い方をするようです。旦那によれば、単に"Knock on wood"とだけ言う場合もありますが、木・木製のものが傍にあれば、それらを叩くにこしたことはないとのことです。

旦那はとりわけ迷信深いタイプでもないのですが、子どもの時からの癖や習慣というのは、無意識的に体にすりこまれているものだと、改めて文化の違いを面白く感じた瞬間でした。

2012/01/23

アメリカに上陸したJAPAN~HARAJUKU

在留邦人が700人にも満たないロードアイランド州では、たまに見かける"SUSHI・HIBACHI"レストラン以外に、日常生活で日本や日本文化の存在を感じることはなかなかありません。

しかし、日常生活の予期せぬ場面で、日本発祥でアメリカの消費者に支持されているもの・ことに出会うことがあります。

そのような「アメリカに上陸したJAPAN」の一例をご紹介します。
キーワードは【HARAJUKU】です!!



写真は、近所のディスカウント百貨店ターゲット(TARGET※)で発見した、ポップな色合わせとアニメに出てきそうなキャラクターの柄が目を引く、子ども服ブランド・・その名もHARAJUKU MINIです。



HARAJUKU MINIは、日本、とりわけ原宿びいきで知られている歌手兼デザイナーのグウェン・ステファ二ーとのコラボレーションにより、昨年11月よりターゲットで展開されている超カワイイ("Super KAWAII"  byターゲット公式Website)子ども服ラインであるとのことです。

グウェン・ステファ二ーは、既に若い女性を対象としたファッションブランドHARAJUKU LOVERSが大成功を収めています。彼女のブランドはファッションのみならずコスメにも進出しており、以前ふらりと立ち寄ったコスメショップで"HARAJUKU"(時には漢字で"原宿")と書かれたやけにポップなフレグランスやマニキュアを発見した時の衝撃は、今でも忘れられません。

↓HARAJUKU LOVERS のフレグランスの広告。グウェン本人ではありません。


今回ご紹介した"HARAJUKU"を名乗る2つのブランドの成功は、日本発のファッションが認められたことの証明であり素直に嬉しく思う反面、アイデアやスタイルは日本発だけど結局アメリカのデザイナーを起用して商品を作っているのでは日本経済に直接還元されていないし、みすみす商機を逃しているのではと思ってしまいます。

近年、経済産業省では、日本のクリエイティブ産業の育成・国内外への情報発信および積極的な海外進出を業種横断的に進めていくという取り組み「クール・ジャパン」を推し進めており、注目されています。「クール」だから勝手に広まっていくだろうという野放しの態度ではなく(実際起きているのはそういうことなのですが)、しっかりと日本発信且つ日本に還元されるスキームを作っていくことで、「クール・ジャパン」が世界に誇れるクリエイティブ・コンテンツ産業として育っていってくれることを願ってやみません。

これからも、アメリカの日常生活で発見した「アメリカに上陸したJAPAN」をレポートしていきたいと思います!


※注 ターゲット(TARGET)とはWall Martに引き続く、全米小売業界第2のディスカウント百貨店チェーンです。家具、生活用品、文房具、食料品に至るまで(最近では生鮮食料品も充実)幅広い品ぞろえと良心的な価格、またデザインの良さに定評があり、私も学生時代から愛用しています。 

2012/01/20

レストランウィークinプロビデンス

プロビデンスでは、先週(1月15日)より約2週間にわたり、毎年恒例のレストランウィーク (Restaurant Week)が開催されています。

レストランウィークとは、市が主催し、市内の加盟レストランが期間限定でプリフィックスコース(3コース)をお手頃価格で提供する催しです。ニューヨークで行われるものが有名ですが、最近では日本(東京)でも同様の催しが始まったとか。市としては、観光の目玉として市外からもお客さんの呼び込みが期待でき、観光業および外食産業を支援するという狙いがあり、店側としては、お手頃価格で料理を提供することで、より多くの人にレストランに足を運んでもらえ、新規顧客開拓の機会となるといったメリットがあります。

どれぐらいお手頃かというと、ランチ(3コース)で1人あたり$14.95、ディナー(3コース)で1人あたり$29.95です。なお、この価格には飲み物代や税金、チップは含まれていません。
さらに、レストランによっては、"2 for 1"といったように、2人分を前述の1人分の値段(ランチ:$14.95 ディナー:$29.95)で楽しめる場合もあります。

私たちも、昨夜、早速このお得な"2 for 1"を提供しているレストランの1つ、"Brabo Brasserie"で食事をしてきました。こんなお店です↓


このレストランでは、サラダとメインコースをそれぞれ2~4つの選択肢の中から1つ選ぶことができ、何とワイン(ボトル)もついてきて、2人で$29.95!!リーズナブルです。
とはいえ、元々そんなに構えて入るような雰囲気の店でもないため、味も同様に平均的でした・・。

レストランウィークの本来の醍醐味は、普段なかなか気軽に試すことができないような高級?レストランで、リーズナブルなコースを堪能できることにあるといえます。

実は、プロビデンスは、実は遠くニューヨークやボストンからもフーディー("Foodie"=いわゆるグルメな人)が訪れる、隠れた美食スポットでもあります。

ニューヨークに拠点を置く旅行雑誌"Travel+Leisure"が毎年行っている"America's Favorite Cities調査"の2011年 Food/Drink/Restaurants部門は、読者投票の結果、Providenceが2位に選ばれたとか。
http://www.travelandleisure.com/americas-favorite-cities/2011/category/food-drink-restaurants

さて、中規模都市にも関わらず、なぜプロビデンスがフーディー達のメッカとなっているのでしょうか?
一説としては、近隣のジョンソン・ウェールズ大学が定評のあるシェフ養成コースを設置しており、卒業生がそのままプロビデンスに残り、レストランを開業する傾向があること。また、FidelityやProvidence Equity Partnerといったグローバルに展開する独立系資産運用企業がプロビデンスに拠点を置いており、食にうるさく且つお金に糸目をつけない金融関係者達のグルメ需要があることが理由としてあげられます。

このような需給バランスの上に、グルメシティ(?)プロビデンスが成り立っているようです。
もちろん、高級レストランのみならず、学生の街らしくリーズナブルで味も良くボリューム満点なハンバーガーの店や個性的なバーが立ち並ぶ界隈や、イタリアンマフィアOBが経営していると囁かれているイタリア語が飛び交う中で美味しいイタリアンを堪能できるレストラン街、移民の多いエリアではタイ料理、キューバ料理、レバノン料理など各国料理も楽しめます。まだ私は一度も行ったことがないのですが、日本人の夫婦が経営されている日本食レストランもあるのだそう!

プロビデンスのグルメ情報についても、また随時報告していきたいと思います。



2012/01/18

孤独は創造的なアイデアの源か?(NYtimes記事より)

先日のThe New York Times電子版に"The Rise of the New Groupthinking"という記事が掲載されていました。
http://www.nytimes.com/2012/01/15/opinion/sunday/the-rise-of-the-new-groupthink.html?_r=2&pagewanted=all#commentsContainer

記事の概要としては、Steve Jobsと共にApple社を創立した天才エンジニアSteve Wozniakの例を取りあげ、孤独こそが創造性を生み出す源であると主張しています。様々な分野で際立って創造的だとされている人物は内向的な性格である場合が多いといった心理学者による調査を踏まえながら、現代社会では学校・会社・宗教団体に至るまで、人生において携わるあらゆる組織・団体で「グループで考える/行動する」ことに重点が置かれるあまり、ともすれば高い潜在能力を持った人たちが創造性を発揮する機会を失っていると指摘しています。

大グループで行うブレインストーミングが、いかにそのグループダイナミクスによって、本来の目的である創造的なアイデアの創出を阻んでいるかについて書かれている辺りは、「よくぞ言ってくれた!」という一言に尽きました。人が集まれば集まるほど、よいアイデアを出さなければ・出したいという個人が感じる意欲や責任感が減ること、無意識のうちに他人の意見につられ、結局は似たり寄ったりな意見に収束していくといったことは、多くの人が一度は経験したことがあるのではと考えます。※注)

※注)ただし、ブレインストーミングという行為自体が悪だと決めつけるのは早急です。事前に明確なルールを決めて参加者が共有することで、効率が良く生産性の高いブレインストーミングを行うことができるという実例が以下に示されています↓ 
【IDEO社のブレインストーミング】
http://www.openideo.com/fieldnotes/openideo-team-notes/seven-tips-on-better-brainstorming

このNYtimesの記事では、創造性を発揮するために人との交流を全く遮断するべきだと主張しているわけではありません。ソーシャルとパーソナルな環境を自在に行き来し、特に、パーソナルな環境で一人黙々と集中して思索にふけること、また作業するということに、今迄以上に価値が置かれるべきだと主張しています。

ふと、数ヶ月前に知人を介して訪問した、プロビデンスのある会社を思い出しました。会社といってもフルタイムで働いているのは5人。元は精神科医が住んで診察もしていたというビクトリア朝の一軒家をオフィスとする、最新テクノロジーに関する記事執筆に特化したサイエンスライター集団。それぞれが個々にアサインメントを抱えており、1日のほとんどは隔離された個人のオフィスで仕事をするのだそう。その代わり、朝のコーヒータイムというものがあり、社員がそれぞれ持ち寄った文章をお互い批評し合ったり、またある時は何でもないような世間話をして過ごすのだと、自身もライターである社長さんがお話されていました。

きっとこの会社は、自分たちに最適なパーソナルとソーシャル空間の絶妙なバランスを経験則として知っており、オフィスのレイアウトといったハード面のみならずコーヒータイムといったソフトな習慣として取り入れていたのだろう、などと今更思い出していました。

2012/01/15

アメリカ人が夢中になっている英国の歴史ドラマ、"Downton Abbey"(ダウントン・アビー)

最近、英国の歴史ドラマ"Downton Abbey"がニュースでよく取り上げられており、旦那と一緒に見始めたところ、すっかりはまってしまい、2日で1シーズン(全7話)を全て制覇してしまいました。


ネタばれにならないよう、詳細な内容については控えますが、エドワード朝時代(1910年代~)のノース・ヨークシャー地方にある架空の屋敷"Downton Abbey"に住む伯爵とその家族、そして使用人達についてのお話です。

このドラマの魅力は、当時の生活の様子が非常に丁寧に描写されており、純粋に映像美を楽しむことができる共に、1910年代のイギリスの田園地帯という自分とは到底縁のない時代設定にも関わらず、登場人物が生き生きとリアルに感じられることです。屋敷で暮らす貴族の一家、階下で暮らす使用人たちのそれぞれの視点が重なり合い、重層的で味わい深いストーリーとなっています。

絶対的な身分制の下、貴族と使用人の間には超えられない身分の壁があり、同じ空気を吸っていても文化・習慣、普段使う言葉でさえも全く異なります。伯爵未亡人の“What is a weekend?”("週末"って何のことかしら?)といった、働いたことがないため週末という概念を知らない純・有閑階級ならではの発言は、コミカルでさえあります。
ドラマの中では、階級間の違いのみならず、貴族・使用人の中でも若い世代と古い世代の間に考え方の違いも描かれています。黙々と自分が仕える主人への忠誠を誓い、絶対的な信頼を得ているベテラン執事もいれば、メイドとして一生を終えたくないとの野望を持って隠れてタイプライターを練習する若いメイドなど、それぞれが生身の人間として描かれています。また、貴族の若い世代は、時代が変わりゆく中での、自らの貴族という立場、個としての自己実現、社会正義といった価値観をどう整合させるかという問いの前で、苦悩や葛藤を抱えている様子が描かれます。

また、物語の舞台でありタイトルにもなっている"Downton Abbey"、そのインテリアや調度品の美しさ、登場人物たちが纏う豪華な衣装には思わず息を飲んでしまいます。撮影が行われたHighclere Castleには、放映開始以降、熱心なファンが詰めかけているのだそうです。
http://www.highclerecastle.co.uk/



アメリカでは昨年よりシーズン1がPBSで放映され、600万人もの視聴者が釘づけになったとのことです。今月、イギリスでの放映より数か月遅れで、アメリカでもシーズン2が始まりました。

昨年ウォールストリートから全国各地に広がったOccupyデモの参加者たちは、アメリカのトップ1%が占める資産の割合が増加している状況に対し、"We are the 99%!"というスローガンでもって警笛を鳴らしました。そんな格差社会化が大きな問題として取りあげられる中で、この"Downton Abbey"のような格差が固定された封建社会(とその終焉の予兆)について描かれた歴史ドラマが非常に人気を集めていることは、非常に興味深い現象です。

オーストリアに住んでいる友人もとても大好きだと言っており、このドラマの発祥である英国(あまりの人気ぶりに、既にシーズン3の放映も決定済み。2012年9月から放映開始予定。)はもちろんのこと、アメリカ、ヨーロッパ、そして英語圏のアジア諸国でも大流行しているそうです。

日本では、スターチャンネルで放映中とのこと。http://www.star-ch.jp/downtonabbey/
機会があれば、是非ご覧になってみてください!

2012/01/11

今も昔も人気のWord Game

「スクラブル(SCRABBLE)」というボードゲームについてご存知でしょうか?

クロスワードのように単語をつなぎあわせて得点を競うゲームで、1948年にアメリカで開発されて以来、かれこれ60年超の歴史があるのだそうです。アメリカでは、「モノポリー」と同様、最も人気のあるボードゲームの1つで、アメリカの家庭3分の1が所蔵していると言われています。
知的好奇心をくすぐり、子どもへの教育効果もあるとされ、世界121カ国で販売され、29カ国バージョンが開発されているとのこと。(wikipediaより)


アメリカの映画やドラマで、時々、お年を召した夫婦や友達同士が「スクラブル」に興じているという場面を見ることがあり、「ボードゲームの定番」という位置付けで、その存在について知っていました。以下は、「フォール・プレイ(Foul Play,1978年)」というアメリカのサスペンス&コメディ映画のワンシーン。



また、数年前から、主に本屋さんで「バナナグラム(Bananagrams)」が大々的に販促されているのをよく見かけるようになりました。

これも「スクラブル」の要素を取り入れたワードゲームです。文字タイルを入れておく袋がバナナの形になっており、見た目にもかわいらしく持ち運びしやすいこと、リーズナブルであること、スクラブルのようにボード内でプレイしなければならないという制約がなく自由度が高く、より知的好奇心を刺激するとのことで、若い世代の間でも人気に火がつきました。

そして今、"ソーシャル(social)"という要素を取り入れて大流行しているワードゲームが、"Words With friends"(またもやZynga社)です。facebook上で、またiPadやAndroid上で友達や知人と対戦できるスクラブルです。

"Word With Friends"を一躍有名にしたのが、Alec Baldwinという俳優が"Words With Friends"に夢中になるあまりにアメリカン・エアラインの飛行機から追い出されるという珍騒動でした。Alec Baldwinは、"Word With Friends"で続行中のプレイを中断したくないと、フライトアテンダントの注意に従わずiPadの電源を切ろうとしなかったため、飛行機から追い出されてしまいました。Alec Baldwinのスポークスマンによれば、「彼はWWFを続行したいがために、自ら飛行機を降りた」という程のはまり様。

こんなにも人を虜にしてしまう"Word With Friends"。ゲームを楽しむばかりでなく、"Words With Friends"に登録している相手とのチャット機能を用いて、友人や知人への連絡や交流の場とも化しているとか。また、このゲームを通じて出会い結婚にも至ったカップルまで現れるなど、新たな出会いのプラットフォームにまで進化しているとのことです。

ちなみに、私もAlec Baldwinのニュースを見てから興味を持ち、早速iPadでスクラブルを始めてみましたが、これがまた面白い・・!!


参考:
http://scrabble.wonderhowto.com/blog/scrabble-is-everywhere-movies-books-other-media-0116236/
http://www.boston.com/bostonglobe/ideas/brainiac/2007/12/scrabble_in_fic.html

2012/01/09

アメリカの映画事情

先日、近所の映画館に「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」を見に行きました。


今回が4作目となる、MI(ミッション:インポッシブル)シリーズですが、実は前作を一度もまともに見たことがありませんでした。しかし、どちらかといえば絶え間ないアクションシーンを売りとしている映画であり、ストーリーは極めてシンプル(?)なので、難なく楽しむことが出来ました。

ネタばれにならないよう、映画の詳しい内容については控えるとして、今回は映画館に足を運んで少し気になったアメリカの映画事情について、ご紹介したいと思います。

さて、今回の"MI4"は映画批評サイトでのレビューが良かったこと、幅広い年代が楽しめる定番のMIシリーズ作品ということで、公開1カ月弱たっているとはいえ、週末の午後の回ということもあり、沢山の人が詰めかけているのではと予想していました。しかし、意外にも、蓋を開けてみるとほぼ半分のシートが空席でした。

ちなみに、今回はIMAXシアターで鑑賞したため、12ドルと少し高めですが、通常は大人10.50ドルです。
ん?日本で鑑賞するよりは格段に安いとはいえ、ひと昔前(学生時代)はアメリカでの映画鑑賞ってもっともっとリーズナブルだったような・・

一体、何が起こっているのでしょうか?

2011年はアメリカの映画産業(≒ハリウッド)にとって「最悪の1年」であったと言われています。
国内映画館での観客動員数が過去最低となり(チケットの値上げを行ったにも関わらず)興行収入は1992年以来過去最低となりました。DVDの売り上げの減少にも歯止めがかかりません。
(あくまで、アメリカ国内の話です。日本をはじめ、海外での興行収入こそが、今や映画会社にとって製作費を賄うための命綱であるとか・・)

その理由としては、経済の状況により、消費者のお財布のひもが固くなっていること。特に、ティーンや20歳代といったターゲット層の若者の余暇へのお金の使い道(※注)がシビアになったとのこと。彼らは、ソーシャルメディア等を駆使してレビューをくまなくチェックし、本当に行く価値がありそうだと納得しないと映画館にまで足を運ばないということです。
また、高速インターネット回線の普及によりNetflix等でのデジタルストリーミング・ダウンロードが可能となり、家で映画を鑑賞する人が増えていることです。

※注)興味深いのは、映画業界関係者へのインタビューで、複数が若者をターゲット層とした際の競合として「ゲーム」をあげていたことです。この「ゲーム」には、プレイステーション、Xbox、Nintendoといった従来のゲームに加え、圧倒的な人気を誇る"CityVille"や"Farm Ville"(ジンガ社)といったソーシャルゲームも含まれています。

3D等の最新技術の使用や高額なスター俳優・女優の起用により、映画の製作費およびプロモーション費用は年々膨らむ傾向にありますが、前述のような理由から、必ずしもコストに見合った興行収入が期待できるとは限りません。映画会社は損失を挽回したいメガヒットを狙うべく、さらに巨額をつぎ込んで大型映画の製作を行いプロモーション合戦を行う・・・という悪循環となっているとのこと。

2011年最も話題を集めた映画の1つとして、フランス人監督によるサイレント白黒映画"The Artist"があげられます。1920年代後半のハリウッドを舞台としており、トーキーの登場によるサイレント映画の終焉を描いた秀作です。

                                                

昨年末、アカデミー賞の前哨戦とされるニューヨーク批評家協会賞の作品賞も受賞して、アカデミー賞に最も近い存在として注目されています。このように古き良き“往年のハリウッド”を描いた外国作品が絶賛される背景には、現在のハリウッド映画の業界の体質や飽くなきプロモーション合戦への嫌悪があるのかもしれないと穿った目で見てしまいます。

参考:
http://www.nytimes.com/2011/12/26/business/media/a-year-of-disappointment-for-hollywood.html?_r=1

2012/01/07

ロードアイランド&プロビデンスってどんなところ?

今回は、私が現在住んでいるロードアイランド州(Rhode Island)および州都のプロビデンス(Providence)について紹介したいと思います。

ロードアイランド州は、東海岸に位置し、北東をマサチューセッツ州、西はコネチカット州と接しています。(南側は大西洋に面していることから、"Ocean State"の愛称で呼ばれています)
以下の地図で赤く示されているのが、ロードアイランド州です。


・・・はい、ものすごく小さいです。
実はロードアイランド州は全米最小の州であり、滋賀県と同じサイズだそう。
ただ、州の名前は全米で最も長いとのこと。(ちなみに省略形は"RI"です。)

ボストン総領事館によると、ロードアイランド州全体で邦人は658人(2010年)。
この統計を初めてみた時の私の率直な感想は、「え、そんなにいるんだ!?一体どこに?」笑
普段暮らしていても他の日本の方とばったり出会うということはなく、探してようやく見つかるという感じです。

さて、現在私が住んでいる州都のプロビデンスは、人口17万人。
近隣の大都市ニューヨーク(車で3時間弱)やボストン(車で1時間弱)と比較すると、こじんまりしています。

プロビデンスには、アイビーリーグのブラウン大学や、美術・デザイン関係で定評のあるロードアイランド・デザインスクール、そしてシェフ養成コースが有名なジョンソン・ウェールズ大学、ビジネス分野で最も古いカレッジであるブライアット・カレッジなどがあり、アメリカ東海岸の学生街に特有のリベラルな雰囲気があります。

特にロードアイランド・デザインスクール(通称RISD)の影響からか、街の中にはアートギャラリーやライブハウス、劇場などが大小問わず点在しており、住民が普段着で気軽にアートを楽しむといったカルチャーがあります。

Providence Visitor Center( RI Convention Center内)で見つけたポストカード
実際より数割増し美化されていますが、大体このような雰囲気です
数十年前までこの街はイタリアマフィアの巣窟であり、ひと昔前は非常に治安が悪いことで有名だったプロビデンス。今でも、市のある地域のレストランとクリーニング屋さんはマフィアOBによって経営されているなど、名残を感じます。現在、プロビデンスはそういった過去の汚名を返上すべく、Creative CityまたはThe Renaissance Cityというコンセプトを積極的に打ち出して、若いアーティストを支援するなどして、イメージアップを図っているようです。

プロビデンス以外に特筆すべきは、ニューポートという港町。アメリカの南北戦争~19世紀末にかけての「金ぴか時代(Gilded Age)」に財を築いた富豪たちの別荘地として栄え、ヨーロッパ風の建築を模した「マンション」と呼ばれる館が立ち並んでいます。ウォータースポーツのメッカとなっており、また新鮮なシーフードを堪能できるレストランもあることから、現在は観光&避暑地として賑わっています。江戸時代、日本に開国を迫った黒船艦隊のペリーの出身地であり、その縁から静岡の下田市と姉妹都市となっています。毎夏、「Kurofune Festival」というのが行われるそうです。

日本ではあまり知られていないロードアイランド、そしてプロビデンスについて、今後、地元発ならではの情報をアップしていきたいと思います。

2012/01/05

Yuki of the day

酒場で立ち飲みするサラリー猫。

ヘルシー×エコなWhole Foods?!

ロードアイランド州に住み始めてからは、毎週末、旦那と一緒に車でスーパーマーケットに食料品を買い出しに行くのが習慣となっています。日本では、仕事帰りに駅前のスーパーに立ち寄り買い物することが多かったので、この「1度に1週間分」というアメリカスタイルに慣れるまでは試行錯誤の繰り返しでしたが、家から徒歩圏内に生鮮食料品を売っているスーパーがないこと、冷蔵庫・冷凍庫が大きいことから、今ではすっかり週1グローサリー習慣が定着してきました。


私達は車で10分以内の“Whole Foods(ホールフーズ)”へ通っています。(店の名前を訳すのが難しいのですが、本来の自然そのままの食べ物・・といった意味合いでしょうか)
アメリカのオーガニック(有機栽培)ストアの代表格でもあるWhole Foodsは、野菜や肉・魚類の鮮度は抜群です。また、生物以外の食料品からシャンプー等の日用品に至るまで、独自ブランドである「365」を立ち上げていますが、質も高く安心して購入できます。


さて、このホールフーズ。店内に入るとすぐに目に飛び込んでくるのは、色とりどりの野菜や果物が並べられ、さらには生花も加わり、町のFarmer's Marketに迷いこんだかのようです。


店内では、店員さんが木箱から野菜を取り出し丁寧に並べている様子に出くわすことがよくあります。この「○○Farm」とプリントされた素朴な木箱は、この野菜が近隣の農場から朝に収穫され直送されてきたかのような印象を与えます。しかし、実はこの木箱は、店内ディスプレイ用にNYの大手デザイン会社が特別にデザインしたものであり、実際には労働力の安いメキシコを含めた世界各地様々な農場より業務用段ボール箱で運ばれてくる野菜を、裏の倉庫で「ナチュラルな木箱」に移し替えているのだそうな・・・。「ナチュラル」なブランドイメージは必ず"自然に"作りだされるものではなく、都市のクリエイティブマインドと資金力、そして労力を必要とするものです。


他のスーパーチェーンより商品の値段は少々高めですが、前述のようなイメージ醸成にも長けており、Whole Foodsで買い物するという行為が「ヘルシーでエコなライフスタイルを送るスマートな消費者」といった一種のステータスともなっています。買い物するにも何をするにもダイナミックな(?)大多数のアメリカ人消費者の既存の価値観とは明らかに異なります。そのため、Whole Foodsのスタンスは"pretentious"(見栄を張った)といった風に解釈されることもあると聞きます。しかし、私のようなアメリカに移り住んできたばかりの日本人にとっては、日本のスーパー並みの清潔さと細やかさに既視感を覚えるほどで、私の周りでも日本人愛用者は多いです。

さて、「エコ対策」というと、日本の各スーパーマーケットによる環境への取り組みとして真っ先に取り上げられるのは「レジ袋削減」ではないでしょうか。エコバッグ持参を推奨する様々なインセンティブを用意したり、レジ袋有料化といった措置が取られています。

一方アメリカでは、レジ袋にあまり関心が払われている気配はありません。Whole Foodsではデザイン性・機能性の高いエコバッグが売られており、比較的配慮されている方ですが、かといって、それ以上の消費者への働きかけはありません。

では、何を持って「エコ」を掲げているのでしょうか?
Whole Foodsで買い物をしていると、店の代名詞ともなっている「オーガニック」商品を始め、商品(特に野菜、肉、魚)の生産過程がいかに「環境に負荷をかけず」「持続可能」であるかといった点が強調され、売り場で消費者に積極的かつ透明性の高い情報提供活動を行うことにより、より“エコ”な商品を購買するように促す試みが見られます。例えば、魚は原則的に持続可能な漁業を推奨する海洋管理協議会(MSC)という第三者機関により課せられた条件を満たし、認証をうけたものを販売するなど徹底しています。

日本でのレジ袋削減への熱心な取り組みを見てきた自分としては、Whole Foodsでせっせと「エコな消費者」としての務めを果たした後で、大量のレジ袋を消費していくお客さんを見ては、何だかやりきれないなぁと思うこともあります。しかし、人口70億人を突破した地球において、「食の安全・安心」はもちろんのこと、地球の成員に日々必要な摂取カロリーを供給していけるかという「持続可能で安定的な供給」が喫緊の課題である中で、商品の生産過程という、普段消費者からは見えない暗部にあえて目を向けさせるWhole Foodsの姿勢には共感を覚えます。

もちろん「オーガニック」を謳っていても大規模チェーンの営利企業なので色々と批判もつきものなのですが、個人的には今後もWhole Foodsの取り組みに注目すると共に、購買行動を通じて応援していきたいと思います。

2012/01/04

猫との生活


渡米後、様々な面で生活スタイルが変わりましたが、「猫を飼う」というのは私にとっては大きな変化の1つでした。

そもそも、動物には縁も興味もなく育ち、動物との接触に関しては何とも苦い思い出しかありません。

・3歳の時に、奈良で鹿せんべいをあげようと鹿にアプローチし、頭を蹴られる
・小学校2年生の時に、ペット大国のドイツで、知らない人の飼い犬に手を噛まれるもそのまま逃げられる

一方、旦那の実家は、家族みんな、無類の動物好き。常時、犬3匹+猫3匹+にわとり5匹を飼っています。2人の義妹がそれぞれの大学より帰省する際には、犬1匹+猫1匹+ギニーピッグ1匹を連れ帰ってきます。そんなわけで、家族全員が揃う際には、家を歩けば動物に当たる"むつごろう王国"と化します。

結婚前に旦那の実家を訪問した際には、やたらと人懐っこい大型犬がいつ凶暴化するやらと怖くてくつろげなかったし、猫は比較的無害そうだけど人間のベッドで寝ているなんてとんでもない!という思っては、動物への苦手意識が払拭できませんでした。

旦那さんは昔から動物に囲まれて育ってきたので、彼が東京に住んでいた頃は、よく「動物が恋しい~」などと言って、UFOキャッチャーで捕った犬のぬいぐるみを代わりに飾っては大事にしていましたが、もちろん、私から共感を得られずにいるどころか失笑を買うばかりでした。

そんな私たちの元にやってきたのが、写真の白ネコYuki(オス・14歳)。

元々、シェルターにいたのを義母が引き取って飼っていた猫ですが、年老いて且つ元々大人しい性格から、他の動物との生活が居心地悪そうだとのことで、余生を悠々自適に過ごすため、プロビデンスにやってきました。飼い主が言うのもなんですが、なかなか絵になる綺麗な猫です。不遇の人生を送ってきたとのことで、ボストンの寒空の下で野良生活を送った時期もあったそうです。

Yukiとはかれこれ4か月程度一緒に暮らしていますが、何とも愛らしく、すっかりこの猫の魅力に参っています。家具をひっかいたり、粗相をしたり・・と、もちろん喜んでいられることばかりではありませんが、ソファに横たわっているとそっと近寄り、遠慮がちに体重をかけてもたれてくる姿には、思わず胸をうたれます。Yukiも自分が唯一の動物であるという生活は気に入っているようで、徐々に新しい生活に慣れてきました。義父母も、前よりも毛並みもよく、幸せそうだと言ってくれます。

実は、猫と暮らすまでは、「ペット=愛玩動物」だなんて最終的には人間のエゴであり、飼い主のペット自慢はとても正気で聞いてられない、などと思っていました。しかし、実際に猫との生活を経て、この体長40cmほどの存在がもたらしてくれる感情への影響の大きさを実感しては、改めて、ペットとは人にとってどういう存在なのだろうと考え直すようになりました。

さて、最後に、アメリカのペット専門店チェーンの代表であるPETCOテレビCMをご紹介。
クレイジーな飼い主とペットの関係をおもしろおかしく描くCMで数々の賞を総なめし、一躍ペット専門店というカテゴリーを全米に知らしめました。この"Petco, Where The Pets Go"キャンペーンにより、従来スーパーマーケットのペット売り場で買い物していたPet Ownerのペット愛と自尊心をくすぐり、PETCOへと誘ったとのこと。
さすがにこれはひどい(笑)と目をおおいつつ、思わず笑ってしまいます。

2012/01/03

アメリカのエコ習慣:regift/regiving

昨年のクリスマスに義理の妹からi Padをもらいました。我が家でも以前より購入を検討していたので、これは嬉しいと思いつつも、まだ大学生の彼女からそんな高価なもの頂いてよいのかしらと思いきや..."実はregiftなの!!"とのこと。

"regift/regiving"とは、以前ギフトとしてもらったんだけど、自分はそんなに使わないなぁというものを欲しい人にギフトとしてあげることだそう。言うなれば"お下がり"です。
ちなみに、義妹のケースは昨年のクリスマスプレゼントとしてi Padをリクエストし、義父母が購入したのですが、意外にも彼女の熱狂がすぐに冷めてしまい、全く使わなくなってしまったとのこと。 家族としても、日の目を見ずに放置されている端末を見て苦い思いをしていたところ、i Padを購入しようかと迷っている私が現れたということで、今回のregiftが成立しました。

"regift"は、ともすれば贈る相手や元のギフトの贈り主にも不快な気持ちを与えてしまうこともあるため、"rude"(失礼な)と考えるか"resourceful"(工夫に富んでいる・機転が利く)と捉えるかというのは状況によります。とはいえ、アメリカの世論に大きな影響を与えるTVプロデューサーで司会者のOprah Winfreyからお墨付きを得るなどして、近年より浸透しているそうです。アメリカといえば大量消費社会でリサイクルとは無縁というイメージがあったのですが、こんな習慣があったのですね。

Someone's Trash is Someone else's Treasure(誰かのガラクタは誰かの宝物) ということは往々にして起こるわけで、最低限のエチケットを守り、双方が満足すれば、個人的にはとっても"resourceful"だと思います。

もちろん、もらった i Padは非常に重宝しています!

2012/01/02

List of Banished Words 2012 (2012年に廃れる言葉リスト)

年末にかけて、新聞やテレビでは「今年株を上げた人・下げた人」「今年のベスト10映画」「今年のベスト5 iphone Application」といった2011年を振り返るまとめ特集が多く見られました。2011年半ばに渡米した身としては、こちらの流行についてまとめてダウンロードする機会として、楽しんで読んでいました。

今回、アメリカ版「新語・流行語大賞」ともいえる「2012年に消える言葉のリスト」なるものを発見しました。これはLake Superior State Universityが1976年より毎年恒例で発表するリストですが、「過度な使用」「誤った使用」「単に不必要」であるがゆえに「来年には廃れる」とされる新語・流行語・スラングを一般投票の結果も取り入れて選定するものです。さて、「2012年に消えゆく言葉」にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なものを紹介すると・・



◆Amazing びっくりするような 素晴らしい

デイリーショーの司会者やリアリティ番組、FacebookなどのSNS上の会話で多用され、本来この言葉が持つ価値や特別感が失われてしまったとのこと。確かに、何でもかんでも"Amazing"と言ってしまったら、一生に一度のびっくりするような素晴らしいことを描写する際に、使い古された言葉しか残されていないという事態に陥ってしまいます。私自身、この言葉を使いがちなので、自省の意味もこめて・・



◆baby bump 妊娠してお腹が膨らんでいること

セレブリティが自らの妊娠状態を描写するのに用いる言葉。2011年だと、代表例は歌手のビヨンセ。子を宿すという女性の真剣な選択を軽視している、妊娠がセレブリティーのアクセサリーと化している、などといった意見があったようです。

"pregnant"という言葉自体にはもちろんタブーではないのですが、"16 and pregnant"といったティーネージャーの予期せぬ妊娠を描いたリアリティ番組もあるように、他の語との組み合わせによってはタブーやスティグマを呼び起こすこと、イメージ第一のセレブリティがそういった煩わしさを避けようとして代わりに"baby bump"を使い出したのではないかと考えます。



◆man cave 男の洞窟

意訳ですが、日本語で言うなら「男の隠れ家」といったような表現がしっくりくるかもしれません。

家の中で、唯一男性がくつろげる趣味の部屋・スペースのこと。TVやインテリア雑誌等の過度な使用により、「もう十分だ!」「男性がすべてman caveを欲しているわけではないのに一般化しすぎ」といった意見があったようです。



実は、私がこの"man cave"という言葉を初めて聞いたのはクリスマスに旦那の実家を訪ねた時でした。義父へのクリスマスプレゼントの一環として、義母が一部屋を"man cave"に改装したのです。

この部屋では、義父は、趣味のナポレオンの闘いを再現したミニチュア兵隊を堪能することができ、また大音量でボブ・ディランを聴くこともできます。その際に素敵なアイデアだと感心し、"man cave"を私的新語リストに追加したところだったのですが、まさかその1週間後に"廃れる語リスト"上で発見するとは・・



「言葉は生き物」とよく言われますが、その通りだと実感します。言葉とその使われ方を観察していると、その奥に世相や人々の考えの移り変わりも見えてきて、とても面白いものです。

2012/01/01

Happy New Year! 2012

新年あけましておめでとうございます。
日本より14時間遅れで、アメリカは東海岸でも2012年を迎えました!

日本では、年末のみならず年が明けてからこそ、お雑煮・おせちをつつき、初詣にいき、
年賀状で知人の近況に驚いたり・・と、家族とゆっくり過ごす時間として位置付けられています。

一方アメリカでは、ここ数カ月の間に、感謝祭そしてクリスマスという家族で過ごす大型ホリデーを過ごしたばかりなので、お正月の余韻はそう長くは続きません。
大晦日の夜は、カウントダウンのため町へ繰り出し、へべれけに酔っぱらう人たちの群れを多く見かけましたが、会社や公共サービスが休みだったり営業時間を短縮するのは元旦のみで、1月2日からはほぼ通常に戻ります。

今回の新たな発見としては、"Happy New Year"の使い方。
日本では"Happy New Year!"というと「新年あけましておめでとうございます」と訳されるため、元旦以降しか言ってはいけないような気がしていました。しかし、こちらでは"(I wish you)a Happy New Year!"の略として、文字通り「よい新年を!」という意味合いで使われていました。例えば、クリスマスに旦那の実家を訪ねた際に、帰り際、義父母とはもう年始まで会わないとわかっているので"Happy New Year!"と言って別れるといった感じです。

また、私自身、しばらく「あけましておめでとうございます」は英語で"A Happy New Year"だと思っていたのですが、この"A"は元のフレーズ"(I wish you)a Happy New Year!"もしくは"(Have) a Happy New Year"の()パートが抜け落ちたものだと思われます。この"A Happy New Year"と単独で使うと、単語としては文法的には問題ないのですが、挨拶としては少し変な(物足りない)感じなので、やはり挨拶としては"Happy New Year!"もしくはより丁寧に" I wish you a Happy New Year"と言う方がよいかと思います。

本日学んだ新しい英語の表現↓
 "New year's resolution" =新年の抱負・決意 

本ブログに関しては、「高頻度・高品質での投稿」を抱負に掲げたいと思います。

2012年が皆様にとって素晴らしい1年となりますように!